新型コロナウイルスのガイドラインに沿った新しいアプリケーションの登場、世界におけるWi-Fi 6EおよびWi-Fi 6の勢い、WPA3™セキュリティの幅広い普及などを予測
米国テキサス州オースチン発 - 2021年1月11日 - 新型コロナウイルスの世界的なパンデミックの中、オンライン接続への高まるニーズに応えるデジタル基盤の提供において、Wi-Fi®は重要な役割を果たしています。6 GHz帯の利用の広がり、WPA3™セキュリティの幅広い普及、世界中のますます多くの企業と市場でWi-Fi 6の採用が見込まれる中、Wi-Fiテクノロジーはユーザーが必要とする最適な場所、最適なタイミングで、イノベーションと先進の接続環境を提供することができます。厳しい2020年を世界が振り返る中、Wi-Fi Alliance®は2021年のWi-Fi 予測を発表しました。これらの予測は、通常の活動を安全に再開し、ホームネットワークのパフォーマンスを向上させ、遠隔医療、遠隔教育、テレプレゼンスの信頼性とレイテンシを高める際の役に立ちます。
2021年のWi-Fi 予測は以下のとおりです。
1. Wi-Fi 6の世界的な勢い
Wi-Fiテクノロジーの最新世代Wi-Fi 6は、これまで以上の容量、効率、パフォーマンスで先進のコネクティビティを実現します。企業、住宅、公共分野のすべてを通じ、パソコン、アクセス ポイント(AP)、スマートフォン、IoTなど幅広いデバイスでの利用が大幅に促進され、2021年のWi-Fi 6デバイスの出荷実績は20億近くに上ることが見込まれます。パンデミックによって、より多くのオンライン アクティビティをサポートする質の高いネットワークに対するニーズの高さがあらためて証明されましたが、このような環境を背景に、Wi-Fi 6ネットワークは一般住宅に幅広く普及するとともに、企業ネットワークにも安定したペースで広がり、ネットワークにつながっているすべてのデバイスが最適なパフォーマンスを発揮できるようになり、より大きな容量とカバレッジでネットワーク環境をサポートすることが可能になります。また工場や病院のネットワークなど、さまざまな業種で導入が進み、優れた効率と低レイテンシの無線接続を提供します。新型コロナウイルスのパンデミック下において衛生および安全のガイドラインを満たすテクノロジーとして、交通ハブや空港、スタジアムといった場所でのソーシャル ディスタンスの計測、セキュリティ チェックポイント、モバイル コンセッション、ヘルスチェック スクリーニング、乗客のコミュニケーションといったユースケースをサポートします。
2. Wi-Fi 6Eがユーザーによる6 GHz帯の利用を実現
6 GHz帯利用の規制緩和のながれを背景に、2021年はますます多くの国・地域でWi-Fi による免許不要帯域の利用が可能になるでしょう。米国では、先頃6 GHz帯の1200 MHz帯域の免許不要アクセスが認可されました。英国、欧州各国、韓国、チリ、ブラジル、アラブ首長国連邦(UAE)では年内に6 GHz帯を市民に開放する予定で、他の多くの国もこれに追随しています。ベンダー各社が6 GHz帯への対応を進めていく中で、Wi-Fi 6 Eデバイスは世界中の市場に出回るようになるでしょう。この新たに利用可能になった帯域では最大7本の160 MHz超ワイド チャネルを利用でき、ユニファイド コミュニケーションや拡張現実(AR)/仮想現実(VR)、さらにはホログラフィック立体ビデオといった高速アプリケーションの開発とイノベーションが促進されます。Wi-Fi 6Eの優れた速度と低レイテンシといった利点を活かし、遠隔医療や遠隔教育、テレプレゼンスをサポートする新しいユースケースが登場 するでしょう。OFDMAのような機能を輻輳の少ない6 GHz帯に拡張することで、Wi-Fi 6Eは産業アプリケーションに求められる信頼性と決定論的なニーズに対応し、産業IoT環境の有線から無線への移行を容易にします。Wi-Fi AllianceのWi-Fi 6E認証 により、世界中で6 GHz帯で動作するWi-Fi CERTIFIED™デバイスの安全性と相互接続性が確保され、さらなる普及に向けた変曲点となるでしょう。
3. Passpoint®がWi-Fiとセルラー ネットワークのギャップを解消
Wi-Fi CERTIFIED Passpoint®のようなソリューションがWi-Fi とセルラー間のギャップの橋渡しを行い、Wi-Fi のアクセス性とセキュリティがさらに高まるでしょう。PasspointはWi-Fiアクセスを合理化し、以前にアクセスしたネットワークへの再認証を不要にします。これによりユーザーは最適な接続を求めて手動でセルラーとWi-Fiを切り替えたりする必要がなくなり、生産的な作業に集中することができます。Wireless Broadband AllianceのOpenRoamingやAruba Air Passなどのイニシアチブを通じてPasspoint の普及が進み、Wi-Fi業界は一般住宅を越えてシームレスなWi-Fi接続を提供し、セルラー ネットワークとWi-Fiネットワーク間のローミングを自動化し、高度なセキュリティを備えた次世代サービスを企業に提供することが可能になります。Wi-Fi Vantage™などのWi-Fi Allianceプログラムとともに、PasspointはWi-Fi とセルラーをより強力に補完し、企業全体、都市全体、全世界を網羅するワイヤレス サービスを提供します。
4. WPA3 セキュリティの幅広い普及
最新世代のWi-FiセキュリティであるWPA3は、パーソナルおよびエンタープライズ ネットワークに重要なアップデートを提供し、あらゆる場所でユーザーを保護します。現在Wi-Fi Alliance は新しい すべてのWi-Fi CERTIFIED デバイスにWPA3セキュリティのサポートを必須要件としており、2021年にはより多くのデバイス、ネットワーク、環境(政府機関や金融機関などの機密性が求められる環境を含む)でWPA3の採用が進むでしょう。機械やセンサー、スマート ホーム デバイスなど、インターネットに接続するコネクテッド デバイスの数は、今後4年間で416億ユニットに達すると予測されています1。このようなコネクテッド デバイスの急増に伴い、IoTデバイスが生成する膨大な量のユーザー データを保護する強力なセキュリティ メカニズムへの需要が高まります。
5. Wi-Fi が企業と個人をつなぐ重要なリンクを提供
Wi-Fiは、世界的な新型コロナウイルスのパンデミックによる影響を軽減する上で重要な役割を果たしています。世界中でソーシャル ディスタンスが求められる中、Wi-Fiはビジネスや教育、医療、その他のサービスのオンライン化を実現することで、社会的孤立による影響を抑える役割を果たしています。私たちが働き、人と触れ合い、コミュニケーションを図る環境はもうパンデミック前と同じではないかも知れませんが、Wi-Fiは世界が生産性と経済的繁栄を維持することを可能にする、強力なデジタル基盤を提供するテクノロジーとして認識されるようになるでしょう。2021年、Wi-Fi は世界的なパンデミックによる経済的被害のさらなる軽減に貢献するでしょう。Wi-Fiは、在宅勤務のニーズや遠隔教育、遠隔医療をサポートし、遠隔地や十分なサービスが提供されていない地域に優れた接続性を提供することで経済を回します。日常的な活動がますますオンライン化されていく環境に誰もが適応していく中で、パンデミックにより明らかになった信頼できる強力なマルチデバイス コネクティビティへのニーズは、永続的な影響を持つことになるでしょう。Wi-Fi は、私たちの生活のさまざまな場面で重要な資源を提供する、必要不可欠なテクノロジーとして捉えられるようになります。 Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E、Passpoint、その他のWi-Fi テクノロジーは、パンデミックの終息後も長期にわたり数多くの技術革新を促進するでしょう。
Wi-Fi Allianceメンバー企業各社による2021年予測の動画を、次の各リンクでご覧いただけます: AirTies社、 Aruba社、ASSIA社、Boingo社、Broadcom社、Cisco社、CommScope社、Extreme Networks社、Intel社、Laird Connectivity社、 LANCOM Systems社、 Linksys社、ON Semiconductor社、Qualcomm Technologies社、Texas Instruments社。動画の完全なプレイリストはhttp://bit.ly/2MId5Qxをご覧ください。.
1 IDC社、2019年6月
Wi-Fi Allianceについて
www.wi-fi.org
Wi-Fi Alliance®(ワイファイ アライアンス)は、Wi-Fi®テクノロジーを提供する世界中の企業で構成された世界的なネットワークです。このコラボレーション フォーラムを構成しているWi-Fiエコシステムの企業は、あらゆる場所ですべての人とモノをつなぎながら、可能な限り最高のユーザー エクスペリエンスを提供するというビジョンを共有しています。 2000年以来、Wi-Fi Allianceが 認定した製品は50,000を超えています。 Wi-Fi CERTIFIED™ は実証済の相互接続性、バックワードの互換性、最高の業界標準のセキュリティ保護を実装した製品の証として広く認められています。今日、Wi-Fiは広がり続ける多種多様なアプリケーション環境でやり取りされている膨大なインターネット トラフィックの半分以上をサポートしています。これからもWi-Fi Allianceは、世界数十億のユーザーが日々活用しているWi-Fiの普及と進化発展に不断の姿勢で取り組んでいきます。
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