「Wi-Fi 6E」、6 GHz帯の開放と同時に多くのメリットを提供する準備は万端
米国テキサス州オースティン発 - 2020年1月3日 - Wi-Fi Alliance®は、6 GHz 帯利用に対応したWi-Fi 6デバイスを他のデバイスと区別する新しいテクノロジーを発表しました。6 GHz 帯は免許が不要な帯域で、間もなく世界各国の規制当局が開放することが見込まれています。これまで以上のパフォーマンス、低レイテンシ、高速なデータレートをはじめとするWi-Fi 6の機能と能力を6 GHz帯にまで広げるデバイスを消費者が簡単に見分けられるようにした業界標準規格、それが「Wi-Fi 6E」です。この帯域の利用が規制当局に承認されたら、市場にはWi-Fi 6Eデバイスがすぐに出回る見込みです。これまで以上に幅広い帯域を利用できるようになることで、これからもWi-Fiのイノベーションを提供できるとともに、消費者、企業、経済環境全体に高い価値を提供することが可能になります。
世界各国で6 GHz帯域の利用が可能になり次第、いつでもWi-Fiデバイスはこの帯域を活用できます。これからもWi-Fi Allianceは、6 GHz帯域の開放に向けた世界各国の活動を支援しながら、この帯域を利用している既存のデバイスを保護していきます。Wi-Fiは、IoT(モノのインターネット)の基盤テクノロジーであるとともに、5Gの実現に欠かせず、現在容量が不足している領域の通信ネットワークを広げる重要なツールであり、世界経済にも大きく貢献していることが認められています。以前より5 GHz帯をサポートし、絶え間なく成長しているWi-Fiにとって隣接する6 GHz帯は最適な帯域で、既存のWi-Fi 4/Wi-Fi 5デバイスとの干渉が少ない帯域でこれまで以上に幅広いチャネルを利用できるようになります。
IDC社のリサーチ ディレクター、Phil Solis氏は次のように述べています。
「規制環境さえ整えば、多くの企業が6 GHz 帯を対象にした製品を積極的に展開していくでしょう。どの企業も、この免許不要帯域が顧客に大きな価値をもたらすことをよく分かっています。今年の早いうちにこの帯域が解放されたら、6 GHzをサポートする製品は急速ないきおいで広がることになるでしょう。 6 GHz の容量は膨大で、Wi-Fi 6および今後の新しいバージョンのWi-Fiも有効に活用することができます。現在この6 GHz市場は米国が大きくリードしていますが、欧州とアジア太平洋地域もこの帯域の活用法を探っています」
アナリストの予測では、6 GHz帯域の利用が認められたら、まず消費者向けアクセス ポイントとスマートフォン、続けて企業レベルのアクセス ポイントが普及すると考えられています。また産業分野においてもマシン アナリティクスやリモート メンテナンス、スタッフのバーチャル トレーニングといったアプリケーションでのWi-Fi 6E利用が広まることが見込まれています。Wi-Fi 6Eは、6 GHz帯を活用して消費者、企業、産業分野におけるAR(拡張現実)およびVR(仮想現実)のユースケースをサポートします。
Wi-Fi Allianceのプレジデント兼CEO、エドガー・フィゲロア(Edgar Figueroa)は次のように述べています。
「6 GHz帯を利用できるようになれば、Wi-Fi の帯域利用への高まっているニーズに応え、Wi-Fi ユーザーの皆様はそれぞれのデバイスでこれまでと変わらない質の高いユーザー体験を楽しむことができます。6 GHzの利用が認められたときに、この帯域をサポートするデバイスをWi-Fi ユーザーの皆様がすぐに見分けられるように、業界全体が足並みをそろえるための共通の基盤として、Wi-Fi Alliance はWi-Fi 6Eをリリースしました」
6 GHz帯を利用できるようになれば、隣接するスペクトラム ブロックを通じて最大14の80 MHzチャネルと7つの160 MHzチャネルを利用できるようになるため、Wi-Fiの利用帯域不足が解消されます。これらのチャネルは、HD(高精細度)動画ストリーミングやVR(仮想現実)といった高速データ スループットが求められる高帯域アプリケーションに欠かすことができません。Wi-Fi 6Eデバイスは従来を上回るチャネルと大きな容量をフル活用することで、たとえ非常に密度が高い輻輳環境であっても、優れたネットワーク パフォーマンスを提供しながら数多くのユーザーを同時にサポートすることができます。Wi-Fi Allianceは、6 GHz帯域の利用が認められた際にWi-Fiユーザーがさまざまなメリットを活用できるように、Wi-Fi 6Eの相互接続性テストの策定を進めています。
6 GHz帯域の利用に対するWi-Fi Allianceメンバー企業の声
「Wi-Fi で6 GHzを利用できるようになることは、消費者とオペレーターの両方にとって画期的な変化となります。利用可能な帯域とチャネルが増えることで、これまで以上に多くのデバイスを、これまで以上に速いスピードでサポートすることが可能になるでしょう。オペレーターがあらゆるデバイスで常に最高品質の体験を提供するためには、ホーム ネットワーク内のすべてのデバイスのパフォーマンスを最適化するためのツールが欠かせません。当社のSmart Wi-Fi ソフトウェアとクラウド ベースの管理ソフトウェアによって、オペレーターの皆様は能動的にデバイスを管理して、6 GHzを利用する新しいWi-Fi 6デバイスだけでなく、2.4 GHzや5 GHzを利用する既存のレガシー デバイスでも、最高のパフォーマンスを引き出すことができます」 – Metin Taskin氏/AirTies社CTO(最高技術責任者)
「米国の消費者と企業の両方にとってWi-Fiは最も重要なワイヤレス通信技術となっており、2023年までに米国経済にもたらす価値は1兆ドルに上ることが見込まれています。Wi-Fi のアプリケーションおよび全体的なニーズが引き続き高まっている中、免許不要帯域である6 GHzを利用できるようになることで、Wi-Fi は今日市場にもたらしているさまざまなイノベーションと社会経済的なメリットをこれまでと変わらずに提供しながら、5G時代の新たな要件を満たすことが可能になります」 – Chuck Lukaszewski氏/Aruba社(Hewlett Packard Enterprise社の子会社)ワイヤレス スタンダード&ストラテジー担当バイスプレジデント
「6 GHz帯域がWi-Fiに開放されれば、間違いなくこれからの10年におけるWi-Fiの成長を支える力になるでしょう。幅広い帯域で数多くのチャネルを同時に展開できるようになることで、データ負荷が高い通信およびマルチノード ワイヤレス ネットワークのバックホールとフロントホールをサポートできるとともに、Wi-Fi システム全体として干渉への耐性が高まります。 さらに副次的なメリットとして、Wi-Fi 信号位置の精度が大幅に向上することで、さまざまな新しいアプリケーションへの扉が開かれます。 当社は、Wi-Fiエコシステム全体を通じてベンダーに依存しない中立的な形で、6 GHzの新しい能力の標準化と商業化を積極的にサポートしていきたいと思います」 – Tuncay Cil氏/ASSIA社 最高戦略責任者
「2020年はイノベーションの新しい10年の始まりの年であり、私たちはそれをWi-Fi 6Eとして直接目にしています。6 GHz帯など、これまで以上に幅広い帯域を利用できるようになることでワイヤレス エコシステムの質とパワーが高まり、当社をはじめとするプロバイダーは5G環境を補足しながら、高密度環境で複数のコネクテッド ユースケースをサポートできるようになります」 – Derek Peterson氏/Boingo 社CTO(最高技術責任者)
「Wi-Fiユーザーにとって6 GHz帯は、(Wi-Fi誕生からの)20年間で最も大きな恩恵をもたらすものになるでしょう。この帯域がWi-Fiに開放されることで、まだ発表すらされていない新しいスマートフォンやAR/VRデバイス、ウェアラブルなどで、これまでとは違う新しいユーザー体験が実現するでしょう。 6 GHz Wi-Fiに対応するWi-Fi 6E ブランドによって、消費者はこれまで以上に素晴らしいWi-Fi体験を提供するデバイスを見分けることができます。私たちBroadcom はWi-Fi 6Eによるワイヤレスの未来に大きな期待を寄せているとともに、Wi-Fi を愛用している世界中のユーザーに6 GHz 帯がもたらす大きな可能性を提供する、シンプルで洗練されたブランドを実現した業界に拍手を送りたいと思います」 – Vijay Nagarajan氏/Broadcom社 ワイヤレス コミュニティケーションズ&コネクティビティ事業部バイスプレジデント
「当社は、米国連邦通信委員会(FCC)が5.9 GHzと6 GHzの両周波数帯の利用に向けて前進したことに拍手を送りたいと思います。ケーブル業界は、10G プラットフォームをベースにブロードバンドの未来を築こうとしています。消費者の皆様が10Gのイノベーションのメリットをフル活用するためには堅牢なワイヤレス リンクが必要ですが、このようなニーズにとってこの周波数帯は不可欠な存在です」 – Rob Alderfer氏/CableLabs社テクノロジー ポリシー担当バイスプレジデント
「6 GHz帯をWi-Fiが利用できるようになることを大歓迎します。切望されてきた幅広い帯域が開放されることで、すべてのWi-Fi ユーザーが質の高いユーザー体験を利用できるようになるでしょう。これまで当社は Wi-Fi 4、5、6、そして今回はWi-Fi 6Eと、 Wi-Fi市場の驚くべき成長に寄与してきました。また、これまでにウェアラブルや医療分野、IoT、スマートホーム、アクセス ポイント、ゲートウェイなど幅広い市場セグメントの大手半導体企業にRivieraWaves Wi-Fi IPおよびプラットフォームのライセンスを付与してきたことを誇りに思います」 – Ange Aznar氏/CEVA社ワイヤレスIoT事業部VP兼GM
「これまで以上の高いパフォーマンス、低いレイテンシ、高品質な環境を6 GHz帯に提供するWi-Fi 6E は、ワイヤレス環境の能力をレベルアップする上で重要な役割を果たすことになるでしょう。 6 GHz帯が価値を発揮するのはWi-Fiだけではないので、あらゆるコミュニティがコラボレーションを基盤にこの周波数帯を共有して、よりシームレスな体験を創り出すことができると期待しています。また、6 GHz帯では位置情報の精度も高まるので、最適なビジネスを実現するアプリケーションとユースケースを生み出す新しいエキサイティングな機会への道が開かれるでしょう」 – Anand Oswal氏/Cisco社 Intent-based Networking グループ、エンジニアリング担当SVP
「Wi-Fi によって世界は変わりましたが、これからもWi-Fiが世界を変えていくことができるように、Wi-Fi Allianceと連携していくことを嬉しく思います。Wi-Fi 6により6 GHz帯へ利用範囲が広がることは、2つの意味でこれまでの環境を根本から変える要因になります - 1つはこれまで以上に幅広いチャネルを利用できるようになること、もう1つはARやVRといった高帯域幅アプリケーションで160Mhzを利用できるようになることです。これらによって、さまざまな新しいアプリケーションと利用体験を実現する膨大な機会が消費者と企業の両方にもたらされます。 Wi-Fi 6Eをベースに標準化を進めることで、私たちCisco Merakiに限らず業界の他の企業も次世代のワイヤレス体験を顧客に提供することが可能になります」 – Jayanthi Srinivasan氏/Cisco Meraki社製品管理担当ディレクター
「Wi-Fi 6E によってWi-Fi 6が本来持っている能力をフル活用できるようになり、次のレベルの低レイテンシと決定論的Wi-Fi サービスを実現するための基盤が確立されます。このような拡張機能によって、次世代の高速ラップトップとタブレット、Wi-Fi 6E ワイヤレス メッシュをベースにしたアプリケーション、高品質な8K動画とVRの配信、また時間的制約が厳しい(タイム センシティブ)サービスなどが可能になります」 – Charles Cheevers氏/CommScope社ホーム ネットワーク担当CTO
「新しい帯域を利用できるようになるたびに、これを利用する新しいデバイスとアプリケーションが登場し、これまで想像すらしなかったような体験が可能になり、あっという間に私たちのライフスタイルに溶け込んでいきます。新たに6 GHz帯を利用できるようになることで、利用可能なWi-Fi 周波数がこれまでの倍以上に増え、Wi-Fi 対応通信で大きな効果を発揮することになるでしょう。帯域幅が広がることによって輻輳レベルが低くなりWi-Fi 6のパフォーマンスが高まるだけでなく、5 GHz帯では大きな制約下にある80 MHzや160 MHzチャネルを効果的に展開するための十分な帯域が確保されます。 これで、やっと6 GHzは仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の発展に欠かせない高いデータレートを正式に提供できるようになり、消費者も企業もこれまでとはまったく違う新たな活用方法を見出すことが可能になります」 – Perry Correll氏/Extreme Networks社 製品管理担当ディレクター
「数百万の消費者や企業がこれからもワイヤレス環境の最新のイノベーションと機能を利用できるようにする上で、6 GHz帯域の利用は不可欠な要素です。これによって容量が増え、Wi-Fiのパフォーマンスが高まることで、ホームネットワークとエンタープライズ ネットワークの両方で最高品質の体験が可能になります。米国連符通信委員会(FCC)が免許不要で米国内の6 GHz帯を開放することを採択したことは、ますます広がっているワイヤレス デバイスの利用をサポートするWi-Fiテクノロジーの進化にとって、不可欠なステップです」 – Carlos Cordeiro氏/Intel 社上級主席エンジニア、Wi-Fi Alliance役員会テクニカル アドバイザー
「米国に比べれば欧州で開放されている帯域は狭いですが、Wi-Fi 6の飛躍的な成長にとって6 GHz帯が重要であることに変わりありません。データレートは倍に、レイテンシは半分になり、Wi-Fiはキャンパス ネットワークの5G環境にとって最適なオプションになるでしょう」 – Jan Buis氏/LANCOM Systems社 事業開発担当バイスプレジデント
「Wi-Fi Allianceをはじめとする業界団体との長年にわたる関係、またネットワーキングにおける当社の確固とした経験と歴史を基盤にする当社の製品は、常に最高のパフォーマンスを提供します。 Wi-Fi Allianceおよび各国の規制当局が、企業と消費者の将来のニーズに応えるWi-Fi 6Eの方向に進んでいることを非常に嬉しく思っています。これからも当社はワイヤレス ネットワーキングでできることの幅をさらに広げていきたいと思います。 Linksysは、製品を通じて最高の “次世代” パフォーマンス テクノロジーをお届けすることにコミットしています」 – Kannan Vardarajan氏/Linksys社製品管理担当ディレクター
「優れたパフォーマンスのWi-Fi製品を提供しているリーディング メーカーとして、当社はお客様のWi-Fi 体験の質を高めるとともに明日のスマートホームのワイヤレス ネットワーク能力の向上を実現する未来のテクノロジーの進化に目を向けています。強化したWi-Fiの次の波として、当社は6 GHzの可能性に大きな期待を寄せています」 – Abhay Bhokar氏/NETGEAR社コネクテッド ホーム製品、製品管理担当ディレクター
「Wi-Fi 6Eによって、最大1.2 GHz の追加帯域をWi-Fi 6で利用できるようになり、今日の住宅、企業、自動車市場に求められる超ハイパフォーマンスなコネクティビティ(接続性)のためのイノベーションとサポートを実現することが可能になります。私たちMarvellはWi-Fi CERTIFIED 6認定を受けた最初の企業の1社です。現在はNXPの一部となりましたが、これからもNXPは、Wi-Fi Allianceがイノベーションを実現しながらWi-Fi 6Eのように新しい強力なテクノロジーの普及を進めていくことをサポートする上で主導的な役割を果たしていきます」 – Mark Montierth氏/NXP Semiconductors社ワイヤレスコネクティビティ担当バイスプレジデント兼ジェネラル マネージャー
「Wi-Fi 6の利用可能な帯域が6GHz帯にまで広がることで、より大きな容量、速いスピード、低いレイテンシのハイパフォーマンスな接続環境が実現し、ホーム ネットワークとエンタープライズ アプリケーションにおける絶え間ないイノベーションが可能になるでしょう。 私たちは、消費者の皆様がコネクテッド デバイスやサービスでさまざまな先進のテクノロジーを活用することを可能にするWi-Fi 6Eが普及することを大歓迎します」 – Irvind Ghai氏/ON Semiconductor社Quantenna コネクティビティ ソリューション事業部マーケティング担当バイスプレジデント
「当社は、免許不要帯域におけるテクノロジーの絶え間ない進化によって、世界中で多様な製品カテゴリーを通じて次世代の強力なコネクテッド体験を大規模に提供することが可能になると確信しています。すでに革新的な特性を備えているWi-Fi 6が6 GHz帯にまで広がることがもたらす非常に大きな可能性は、どれほど言葉を尽くしても言いすぎるということはありません。このような環境で高速、低レイテンシのWi-Fi 6体験を6 GHz帯にまで広げる新たな時代を主導するWi-Fi Allianceは、称賛に値すると言えるでしょう」 – Rahul Patel氏/Qualcomm Technologies社コネクティビティ&ネットワーキング担当シニア バイスプレジデント兼ジェネラル マネージャー
Wi-Fi Alliance®について
www.wi-fi.org
Wi-Fi Alliance® (ワイファイ アライアンス)は、シームレスなコネクティビティ(接続性)の実現を目的とした、業界大手数百社の企業で構成された世界的な非営利団体です。このコラボレーション フォーラムを構成しているWi-Fiエコシステムの企業は、あらゆる場所ですべての人とモノをつなぎながら、可能な限り最高のユーザー エクスペリエンスを提供するというビジョンを共有しています。 2000年以来、Wi-Fi Allianceが認定した製品は50,000を超えています。Wi-Fi CERTIFIED™ は実証済の相互接続性、バックワードの互換性、最高の業界標準のセキュリティ保護を実装した製品の証として広く認められています。今日、Wi-Fiは広がり続ける多種多様なアプリケーション環境でやり取りされている膨大なインターネット トラフィックの半分以上をサポートしています。 これからもWi-Fi Allianceは、世界数十億のユーザーが日々活用しているWi-Fiの普及と進化発展に不断の姿勢で取り組んでいきます。
Media contacts:
Andrea Torres
Highwire PR for Wi-Fi Alliance
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