Wi-Fi QoS Management™が堅牢なサービス デリバリーと高品質なWi-Fi 体験を提供
米国テキサス州オースチン発 - 2021年2月23日 -Wi-Fi Alliance®は、標準化したアプローチでトラフィックを優先付けることによりリアルタイム アプリケーション体験の質を高める新しい認定プログラム、Wi-Fi CERTIFIED QoS Management™を発表しました。広く普及しているWi-Fi CERTIFIED WMM™を基盤に構築されているWi-Fi QoS Management™は、Wi-FiネットワークのQoS(サービス品質)処理に対して一貫したエンド・ツー・エンドのアプローチを提供します。この認定プログラムには2つの新しいテクノロジーが実装されていますが、これらのテクノロジーによってWi-Fiデバイス、アプリケーション、ネットワーク マネージャーはQoSミラーリングに対して標準ベースのアプローチを確立するとともにIP(インターネット プロトコル)とIEEE 802.11間のマッピングにIETF(インターネット技術特別調査委員会)勧告を適用することで、トラフィックフローを優先付けることができます。Wi-Fi QoS Managementは住宅、企業、パブリック ネットワークのすべてにメリットをもたらしますが、オンライン会議やインタラクティブ ゲーム、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)、産業IoT、ヘルスケア モニタリングといった低レイテンシと低ジッタが求められるアプリケーションで特に高い効果を発揮します。
Wi-Fi QoS Managementの標準化したメカニズムによって、クライアント アプリケーションはQoS 処理をリクエストでき、ネットワーク マネージャーはQoSポリシーを実装することができます。また、これらのメカニズムによりユーザー デバイスとアクセス ポイント(AP)はアプリケーションに合わせて異なる優先度を選択できます。その結果、堅牢なサービス提供が可能になるだけでなく、リアルタイム/没入型アプリケーション体験を含むWi-Fi品質を高めるとともに、オンライン ゲームやインタラクティブ クラウド/エッジ サービスへのアクセス時のレイテンシとジッタを減らすことができます。
Wi-Fi Allianceのプレジデント兼CEO、エドガー・フィゲロア(Edgar Figueroa)は次のように述べています。
「今日のWi-Fiネットワークは、質の高い体験を提供するために高度な処理が必要な大量のリアルタイム データ アプリケーションをサポートしています。Wi-Fi Allianceは、Wi-Fiトラフィックを管理し、優れたパフォーマンスに対するエンドユーザーの期待に応え続ける新たな手段の1つとしてWi-Fi QoS Managementを提供します」
Wi-Fi QoS Managementは、以下2つの重要なテクノロジーを実装しています。
- MSCS(Mirrored Stream Classification Service、ミラー ストリーム分類サービス): クライアント デバイスは、QoSミラーリングを使ってダウンリンクIPデータフローに指定のQoS処理を適用することをアクセス ポイントにリクエストできます。
- DSCP(Differentiated Service Code Point、差別化サービスコード ポイント)マッピング: Wi-Fi ネットワークと有線ネットワークのQoS処理を一致させることができるとともに、ネットワーク マネージャーは指定のQoS ポリシーを設定できます。
「ミラーリングした」QoS のコンセプトをベースにするMSCSは、ユーザー デバイス上のアプリケーションが必要な優先レベルでトラフィックを割り当てることをリクエストするシンプルな手段を提供します。このような双方向のQoS処理によって、デバイス アプリケーションに一貫して低レイテンシを提供するだけでなく、たとえWi-Fiチャネルが輻輳している状況でも質の高いWi-Fi体験を提供することが可能になります。DSCPマッピングでは、ネットワーク マネージャーはアクセス ポイントとクライアント デバイスの両方からのトラフィックを、ネットワーク内の特定のQoS 優先レベルにマッピングできます。エンタープライズ ネットワークであれば、ネットワーク マネージャーはオンライン会議のトラフィックを高い優先レベルに指定してマッピング テーブルが更新されるように設定することで、ミッション クリティカルなサービスの要件を確実に満たすことができます。
最初のWi-Fi CERTIFIED QoS Management 製品である相互接続性テストベッド デバイスは、Broadcom社、Intel社、Qualcomm Technologies社のメンバー企業各社が提供しています。
業界全体がWi-Fi Managementをサポート
「AirtiesとWi-Fi Allianceは、ホームWi-Fi体験の向上に絶え間なく取り組む姿勢を共有しています。リアルタイム アプリケーションのパフォーマンス向上を目的としたWi-Fi QoS ManagementにおけるWi-Fi Allianceの新たな取り組みは、素晴らしいことだと思います。Wi-Fi QoS Managementは、当社が世界中のサービス プロバイダーの皆様に提供している高度なスマートWi-Fi ソフトウェアおよびクラウド管理ソリューションの能力をさらに高めてくれます」 – Metin Taskin氏/Airties社CTO(最高技術責任者)
「Wi-Fi QoS Managementは、指定のデータ トラフィック ストリームに対するWi-Fiコネクティビティを ”ベスト エフォート” から安定して一貫した可用性へと変革する第一歩となります。これは、特にテレワークや分散型エンタープライズ アプリケーションにとって大きな意味を持ちます。Wi-Fi QoS Management の能力は、ASSIA 製品にとって欠かすことのできない構成要素です」 – Tuncay Cil氏/ASSIA社 CSO(最高戦略責任者)
「Broadcom は、Wi-Fi Alliance によるWi-Fi CERTIFIED QoS Management プログラムのリリースを大歓迎するとともに、テストベッド サプライヤーの1社として選ばれたことを光栄に思います。 Wi-Fi QoS Managementは、モバイル デバイスやゲーム機の開発者とベンダーのエンパワメントを実現し、ホームWi-Fi ネットワークおよびエンタープライズWi-Fi ネットワークの双方向トラフィック フローを管理して、すべてのアプリケーションに必要なQoSを提供することを可能にするツールを提供します。また、Wi-Fi QoS Managementはネットワーク管理者がシステム レベルでQoSを管理するための基本ツールも提供します。Wi-Fi QoS ManagementとWi-Fi 6Eを組み合わせることで、企業、通信事業者、ユーザーのすべてがビデオ ストリーミングやゲーム、AR/VRなどレイテンシの影響を受けやすいアプリケーションを、たとえ厳しい輻輳環境であっても楽しむことができます」。 – Thomas Derham氏/Broadcom社ワイヤレス コミュニケーションズ&コネクティビティ事業部 上級主席サイエンティスト /同社はWi-Fi Alliance Wi-Fi QoS Managementタスクグループのコントリビューター
「CommScopeは、サービスを提供しているネットワークおよび住宅環境で利用するさまざまなサービスに求められる、より低いレイテンシ、より確実で安定した接続性を実現することに確固とした姿勢で取り組んでいます。一軒家および集合住宅の両方において、例えば在宅勤務用のアプリケーションや、ゲームおよびAR/VRといった最新の低レイテンシの没入体験など、Wi-Fiは個々のサービスを優先付けることができなければなりません。当社はこの新しいWi-Fi QoS Management認定プログラム、またWi-FiのラウンドトリップQoSを提供するすべてのイニシアチブを歓迎します」 – Ian Wheelock氏/CommScope社エンジニアリング フェロー
「当社のデバイスがクラウドやゲーム、AR/VR、オンライン会議など低レイテンシと高いトラフィック優先度が必要な新しいアプリケーションで質の高いWi-Fi体験を提供するためには、エンド・ツー・エンドのQoSサポートが非常に重要です。Intelは、QoSに対するWi-Fi Allianceの取り組みにおけるリーダーの1社であること、また当社の製品がWi-Fi CERTIFIED QoS Management.に認定された最初の製品の1つとなったことを嬉しく思います」 – Eric McLaughlin氏/Intel Corporation社クライアント コンピューティング グループ担当VP、ワイヤレス ソリューション グループ担当GM
「今日のデジタル エコノミーにおいてWi-Fiは基本的なイネーブラであり、音声、ビデオ、データの同時利用といった複数のリアルタイム アプリケーションのバックボーンとなる存在です。ON Semiconductorは、Wi-Fiネットワークのパフォーマンスを最適化するWi-Fi Alliance’のさまざまな認定プログラムの強力な支持者です。 このような背景から、トラフィック フローを差別化して優先度が高いトラフィックを優先し、フローのタイプとデバイスの両方を通じてATF(Airtime Fairness)を確保するQoSは、当社のテクノロジー プラットフォームの基盤となるものです。要するに、ユーザー体験の質を高め、レイテンシ、パケットロス、ジッタを減らすことがすべてです」 – Irvind Ghai氏/ON Semiconductor社ワイヤレス コネクティビティ&信号処理事業部マーケティング担当バイスプレジデント
「Wi-Fi QoS Managementは、ゲームやビデオ、マルチメディアなど、高いスループットと低レイテンシが欠かせないユーザー体験の向上という非常に高い価値をもたらします。ネットワーク上のアクセス ポイントとクライアント デバイス間の相互接続性を検証するこのWi-Fi Allianceの認定プログラムは、Wi-Fi QoS Managementが能力をフルに発揮して最大限のメリットを引き出すための重要なマイルストーンです」 – Rahul Patel氏/Qualcomm Technologies社コネクティビティ&ネットワーキング担当シニア バイスプレジデント兼ジェネラル マネージャー
その他の詳細は https://www.wi-fi.org/discover-wi-fi/wi-fi-qos-managementをご覧ください。
Wi-Fi Alliance®について
Wi-Fi Alliance®(ワイファイ アライアンス)は、世界中のユーザーにWi-Fi®を届ける、企業の世界的なネットワークです。 このコラボレーション フォーラムを構成しているWi-Fiエコシステムの企業は、あらゆる場所ですべての人とモノをつなぎながら、可能な限り最高のユーザー エクスペリエンスを提供するというビジョンを共有しています。 2000年以来、Wi-Fi Allianceが認定した製品は65,000を超えています。 Wi-Fi CERTIFIED™ は実証済の相互接続性、バックワードの互換性、最高の業界標準のセキュリティ保護を実装した製品の証として広く認められています。今日、Wi-Fiは広がり続ける多種多様なアプリケーション環境でやり取りされている膨大なインターネット トラフィックの半分以上をサポートしています。 これからもWi-Fi Allianceは、世界数十億のユーザーが日々活用しているWi-Fiの普及と進化発展に不断の姿勢で取り組んでいきます。
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