Wi-Fi® パフォーマンスを把握するKPIへの標準化したアプローチによりQoSの飛躍的な向上を実現
米国テキサス州オースチン発 - 2019年6月25日 - Wi-Fi Alliance®は本日、Wi-Fi CERTIFIED Data Elements™を発表しました。Wi-Fi ネットワークについて収集した診断データへの標準化したアプローチを提供するWi-Fi CERTIFIED Data Elementsによって、サービス プロバイダーはWi-Fi®ネットワークへの可視性を高め、顧客に提供するQoS(サービス品質)を高めることが可能になります。この認定プログラムはWi-Fi ネットワークのパフォーマンスに関する主要なデータを収集して提供することで、サービス プロバイダーの診断能力を高め、結果として顧客のWi-Fiネットワークのメンテナンス能力を強化します。Wi-Fi Data Elements™が提供する主要データはWi-Fi のトラブルシューティングをサポートし、これによってネットワークに関する問題を短時間で解消できるようになることで、Wi-Fiネットワークの顧客満足が高まります。
Wi-Fi Data Elementsは、例えば無線ネットワークにおけるデータの伝送速度やさまざまなデバイスが期待どおりのパフォーマンスを発揮するために必要なエアタイム、デバイスとアクセスポイント(AP)間のリトライ回数など、Wi-Fi固有の130のKPI(重要業績評価指標)を提供する標準化モデルを確立します。データ収集に対する一貫したアプローチを通じてサービス プロバイダーの診断ツールに直接データを提供するので、顧客のWi-Fiネットワークの状態をより的確に把握できるとともに、データをスピーディに取得して分析し、動的なWi-Fi環境で顧客の問題へ効率的に対処することが可能になります。Wi-Fi Data Elements は、次のようなユースケースで活用できます。
- Wi-Fiのトラブルシューティング: 他のソースからの干渉、カバレッジや構成に関する問題、クライアント デバイスの性能など、ネットワーク パフォーマンスの現在および履歴情報へのインサイトを提供し、短時間での問題解決を実現します。
- Wi-Fiカバレッジの問題を解消: 指定のエリアにおけるWi-Fiネットワークの信号強度が十分かどうかを判断します。これによってサービス プロバイダーは、カバレッジに関する問題を解消するための追加の機器などを提案できます。
- 先回り的な問題解決: Wi-Fiデバイスから収集したネットワーク パフォーマンス データへのアクセスを標準化して、ISP(インターネット サービス プロバイダー)サポート システムがアクセスできるようにすることで、Wi-Fiサービスに影響を与える何らかの事象が発生した際にアラートを発し、顧客が問題に気付く前にその問題解決に当たることができます。
Wi-Fi Allianceのマーケティング担当バイスプレジデント、ケヴィン・ロビンソン(Kevin Robinson,)は次のように述べています。
「コネクテッド デバイスのタイプが増えたことに伴いWi-Fiネットワークの複雑さも高まりましたが、 ネットワークのパフォーマンスへの優れた可視性を提供するWi-Fi Data Elementsによって、たとえWi-Fi利用者のデバイスの数やタイプがどれほど増えても、サービス プロバイダーの皆様はスピーディに問題を診断し、質の高い顧客サービスを提供することができます」
Wi-Fi Data Elementsは、Wi-Fiネットワーク エクスペリエンスを最適化するWi-Fi CERTIFIED™ポートフォリオのパワフルなツールの1つです。Wi-Fiデータ収集への標準化したアプローチによって、サービス プロバイダーはWi-Fiの問題に関する顧客サポート コール件数およびサポート コールの対応に費やす時間を削減しながら、サービス レベルを向上させることが可能になります。Wi-Fi Data Elementsはネットワーク オペレーターが展開する製品への実装が見込まれるだけでなく、Wi-Fiデータへのアクセスを標準化することで、幅広い開発者のコミュニティにおいて、データ主導の相互運用可能な機能や能力に基づくイノベーションを促進します。Wi-Fi Data Elementsは、複数のアクセス ポイントが存在する自己組織化型Wi-Fi CERTIFIED EasyMesh™ ネットワークの基盤を提供し、Wi‑Fi EasyMesh™環境でその能力をシームレスに発揮できるように設計されています。
「これまで当社は、高度なWi-Fiデータ モデルを定義することで、Wi-Fi環境のデータ収集と管理に対する洗練された共通のスキームがない状況に対応していました。このような状況の中、Wi-Fi Alliance は業界のパイオニアである他の企業とのコラボレーションを通じて、これらの新しいデータ モデルを標準化するフォーラムを提供してくれました。Wi-Fi CERTIFIED Data Elementsは、IT企業の大規模なエコシステムがWi-Fi ネットワークで利用できる情報を活用して、新しいデータ主導型のアプリケーションを実現する基盤としての役割を果たします」 – Tuncay Cil氏/ASSIA社 最高戦略責任者
「Wi-Fi Allianceは、ますます複雑化しているエコシステムの多種多様な数多くの関係者を1つにまとめるという、信じられないほど重要な仕事を実現しています。このプロセスにおいて標準ベースのテクノロジーは欠かせない要因ですが、当社がこれまで2年にわたり貢献してきたこの仕事が新しいWi-Fi CERTIFIED Data Elements プログラムとして結実したことに大きな誇りを感じています。これらの新たな標準によって、消費者の皆様のWi-Fiエクスペリエンスは飛躍的に高まるでしょう」 – Shane Eleniak氏/Calix社 プラットフォーム担当SVP
「Wi-Fi ソリューションを効果的に管理する上で、ホーム ネットワークへの完全な可視性は不可欠な要素です。Wi-Fi Alliance のWi-Fi Data Elementsイニシアチブは、一般住宅のWi-Fiからクラウド テレメトリーへのデータ フローに対する完全かつ詳細な視点を、一貫して標準化したモデルで提供します。またホーム ゲートウェイなどの機器をはじめとする他のデバイスからの非Wi-Fiデータとともに、これらの情報は包括的なクラウドビューを提供し、アプリケーション利用状況の分析やトラブルシューティングなどに活用することができます」 – Ian Wheelock氏/CommScope 社 エンジニアリング フェロー(先頃ARRIS社が買収)
「Wi-Fi Data Elementsが提供する標準化した一連のデータ モデルは、Wi-Fiのパフォーマンスに対するKPI(重要業績評価指標)を網羅し、これによってリモート モニタリングとトラブルシューティングが可能になります。 私たちは、自己組織化型Wi-FiネットワークのWi-Fi EasyMeshに欠かせない基盤も提供するこのプログラムに貢献していることを嬉しく思います」 – Mark Montierth氏/Marvell Semiconductor社バイスプレジデント兼ジェネラル マネージャー
Wi-Fi Data Elementsの詳細は テクノロジーの概要またはhttps://www.wi-fi.org/discover-wi-fi/wi-fi-data-elementsをご覧ください。
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Wi-Fi Alliance®(ワイファイ アライアンス)は、シームレスなコネクティビティ(接続性)の実現を目的とした、業界大手数百社の企業で構成された世界的な非営利団体です。 このコラボレーション フォーラムを構成しているWi-Fiエコシステムの企業は、あらゆる場所ですべての人とモノをつなぎながら、可能な限り最高のユーザー エクスペリエンスを提供するというビジョンを共有しています。2000年以来、Wi-Fi Allianceが認定した製品は45,000を超えています。 Wi-Fi CERTIFIED™ は実証済の相互接続性、バックワードの互換性、最高の業界標準のセキュリティ保護を実装した製品の証として広く認められています。今日、Wi-Fiは広がり続ける多種多様なアプリケーション環境でやり取りされている膨大なインターネット トラフィックの半分以上をサポートしています。 これからもWi-Fi Allianceは、世界数十億のユーザーが日々活用しているWi-Fiの普及と進化発展に不断の姿勢で取り組んでいきます。
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