世界各国の通信事業者は、それぞれが固有のニーズに合わせたビジネス モデルでWi-Fi®を展開しています。エンドユーザーの要求が高まり、より速い通信速度、より信頼性の高いサービス、より質の高い利用体験を求める中、あらゆる場所に浸透しているWi-Fiのユビキタス性と優れたパフォーマンスは、一般住宅の内外と企業環境の両方を通じて通信事業者がWi-Fiを使いネットワーク サービスを改善・向上させる機会を生み出しました。現在Wi-Fi は、カバレッジ(セル範囲)の向上やデータ トラフィックのオフロード(負荷軽減)、ネットワーク密度の増大、ホーム ネットワークの枠を超えた有料コンテンツの提供、ロイヤルティの向上、ローミング コストの削減など、さまざまなメリットをもたらしています。
通信事業者は、対処しなければならない多くの課題に直面しています。セキュリティとプライバシーのニーズは高まり、今や不可欠な要件になっています。また、新しいアプリケーションでは低遅延が必須です。質が低いクライアント ローミングはもとより、最適なデバイスを特定し、一貫性に欠けるクライアント デバイスのパフォーマンスを是正するという要件も大きな障害になっています。移動体通信事業者は、アクセス向上のための5Gへのアップグレードというプレッシャーにも対処しなければなりません。多様化しているデバイスや環境、また膨大な数のデータソースの中でこれらのニーズへ対応するためには、通信事業者は最新のWi-Fi認証を受けたWi-Fi機器を展開する必要があります。
Wi-Fi業界は、卓越したレベルのイノベーション(技術革新)によって多岐にわたるニーズに応えています。
- Wi-Fi CERTIFIED 6® およびWi-Fi 6E: 最新の容量、効率、パフォーマンスを活用することで、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)/XR(クロス(エクステンデッド)リアリティ)といった最先端サービスを一切の遅延や品質低下なしに実行することが可能になります。
- Wi-Fi CERTIFIED Passpoint®: データのオフロードを実現し、通信事業者はデバイスのプロビジョニングのメカニズムを提供しながら、ゲスト/パブリック/イベント会場などのネットワークへの個人認証を安全な環境で提供することが可能になります。
- Wi-Fi CERTIFIED Location™: 通信事業者はWi-Fiネットワークを収益化できるとともに、ビジネス インテリジェンスのサポート、位置基準サービスの提供、屋内ナビゲーション、標準電力で6 GHz対応の自己位置特定型アクセスポイント(AP)のサポートを行うことができます。
- Wi-Fi Device Metrics: 多様なユースケースにおけるパフォーマンスを評価して最適なデバイスを特定するための一貫したメソドロジ(手法)とフレームワーク(枠組み)を提供します。
- Wi-Fi CERTIFIED QoS Management™: 複数のネットワーク(Wi-Fi、イーサネット、5G)にわたりトラフィックのストリームを優先付けするメカニズムを提供するとともに、低遅延が求められるアプリケーションに最適な環境を提供します。
- WPA3™ およびWi-Fi CERTIFIED Enhanced Open™ : これまで以上に強化されたセキュリティをWi-Fi ネットワークに提供します。
- Wi-Fi CERTIFIED Data Elements™: Wi-Fiのパフォーマンスに関する主要評価指標(KPI)を規定し、Wi-Fiネットワークの監視とリモート管理を実現します。
- Wi-Fi CERTIFIED EasyMesh®: 一般住宅環境におけるWi-Fiのカバレッジ(セル範囲)を拡張します。
Wi-Fiならではの特性と高度化に向けたロードマップを背景に、Wi-Fiは効率的な資源管理やより速い通信速度、長距離カバレッジ、コスト効果に優れた管理、サービスの差別化、ハイエンドなユースケースのサポート、マネージド ネットワークにおけるクライアントのローミングの挙動に対する影響力など、多くのメリットを通信事業者とITマネージャーにもたらします。すでにWi-Fiは容量を高める強力なツールの1つですが、現在進められている機能強化に向けたロードマップによって、今後もWi-Fiテクノロジーは新しいサービスの実現とサポート、信頼できる安全な無線接続の提供、コグニティブ無線技術によるエネルギー効率の目標達成、低遅延による最新サービス利用時のQoE(Quality of Experience、利用体験の質)向上を促進します。
世界中の通信事業者、設備機器メーカー、家電メーカーが参加している強力なコラボレーション フォーラムであるWi-Fi Alliance®®は、通信事業者のニーズを満たすさまざまな革新技術を提供するユニークな組織を実現しています。また、通信事業者のエコシステム全体を通じてニーズを満たし、最大の価値を発揮するプログラムを提供するために、Wi-Fi AllianceはCTIA™やGSM Association、Wireless Broadband Alliance、CableLabs®をはじめとする、通信事業者を中心に置いている他の団体と連絡協定を結んでいます。
Wi-Fi Device Metrics
Wi-FiテクノロジーのイノベーションにおけるリーダーであるWi-Fi Allianceは、ネットワーク上の各種デバイスの品質を評価するためのテスト ツールを通信事業者の皆様に提供するフレームワークを開発しました。このフレームワークが「Wi-Fi Device Metrics」(Wi-Fiデバイス メトリクス)です。Wi-Fi Device Metricsでは一連の標準化したメソドロジ(方法論)および統一した評価指標によってアクセス ポイント(AP)およびクライアント デバイスの特性を規定および評価し、それぞれのスループット、レイテンシ(遅延)、また個々の具体的なユースケース(展開環境)におけるユーザー体験を測定します。このフレームワークのベスト プラクティスおよび定義によって、パフォーマンス指標の標準化とデバイス評価の簡素化が実現されます。このフレームワークを活用することで、ITマネージャーやネットワーク アーキテクトはアクセス ポイントおよびクライアント デバイスをより詳細に評価できるようになり、対象とする具体的なアプリケーションにより質の高いユーザー体験を提供できる優れたパフォーマンスのデバイスを把握することができます。
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Wi-Fi Allianceのメンバー企業が絶え間なく開発を進めている数々の高度なテクノロジーは、通信事業者のネットワークにとって戦略的に重要な要素となっています。世界中の通信事業者がWi-Fi Allianceに参加して、サービス プロバイダーのユニークなニーズを念頭に、Wi-Fiテクノロジーの開発と認定プログラムの策定を進めています。Wi-Fi Allianceのメンバーシップに関する詳細はこちらをご覧いただくか、こちらからお問い合わせください。