トラフィックの優先付けで卓越した質のユーザー体験を実現
デバイス、アプリケーション、ネットワーク マネージャーによるトラフィック フローの優先付けを可能にするQoS Management™は、Wi-Fi® ネットワークで一貫したエンド・ツー・エンドのサービス品質(QoS)処理を実現します。時間の影響を受けやすいアプリケーションのトラフィックを適切な優先レベルで扱うことによって、住宅、企業、パブリック ネットワークのすべてを通じて卓越した質の体験をエンドユーザーに提供します。
オンライン会議やインタラクティブ ゲーム、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)、産業IoT、ヘルスケア モニタリングなど、低レイテンシが不可欠なリアルタイムのサービスおよびアプリケーションの堅牢な接続を実現します。これらのサービスが、トラフィックの需要のピークや干渉といったワイヤレス チャネル環境の動的な変化に合わせて適応できる質の高い体験を提供するためには、差別化したQoS処理を一貫して適用していくことが重要です。
Wi-Fi QoS Management™の特徴とメリット
Wi-Fi QoS Managementは、アクセス・ ポイント(AP)とクライアント デバイスが識別済みのIPフローを特定のアクセス カテゴリーに割り当てるようにネゴシエートやリクエストすることで、WMM®の能力をさらに広げます。クライアント中心のユースケースを含め、指定のダウンリンクIPフローに対してQoS 処理を実行するようにAPへのリクエストが行われる幅広いユースケースをサポートします。Wi-Fi QoS Managementは、指定のアップリンクIPフローに対してQoS 処理を実行するようにクライアント デバイスへのリクエストが行われる、ネットワーク中心のユースケースもサポートします。これによって、以下のようなメリットを提供します。
- リアルタイム アプリケーションに質の高い体験を提供
- レイテンシの低減
- 最新の没入型アプリケーションの中断を防止
- インタラクティブ クラウド/エッジ サービスへのアクセスの遅延時間の短縮
Wi-Fi QoS Management認定は、デバイスとアプリケーションのQoSに対する標準化されたアプローチを提供し、クライアント デバイスとAPの両方のトラフィックフローを優先付けます。Wi-Fi QoS Managementは、以下4つの重要なテクノロジーを実装しています。
- SCS(Stream Classification Service、ストリーム分類サービス): 5Gコア ネットワークとの間のフローを含めて指定のIPフローの分類とWi-Fi QoS処理を実現することで、大量のデータ トラフィックよりもゲームや音声、動画など環境の影響を受けやすいトラフィックを優先付けることが可能になります。
- MSCS(Mirrored Stream Classification Service、ミラー ストリーム分類サービス): クライアント デバイスは、QoSミラーリングを使ってダウンリンクIPフローに指定のQoS処理を適用することをアクセス ポイントにリクエストできます。
- DSCP(Differentiated Service Code Point、差別化サービスコード ポイント): Wi-Fi ネットワークと有線ネットワークのQoS処理を一致させることができるとともに、ネットワーク マネージャーは指定のQoS ポリシーを設定できます。
- DSCP(Differentiated Service Code Point、差別化サービスコード ポイント)ポリシー: 指定のアップリンクIPトラフィック フローに対するDSCPポリシーでクライアントの動的な構成設定が可能になり、それぞれに異なるDSCP値を割り当てることで、XRのような低レイテンシが必須のアプリケーションの利用体験がさらに高まります。
Wi-Fi QoS Managementの適用例
インタラクティブ ゲームをプレイするとき、各プレイヤーは遅滞なくやり取りを行い、音が飛んだり画像がフリーズしたりするようなことがあってはなりません。 遅延時間ゼロのスムーズなゲームプレイと質の高いユーザー体験には、低レイテンシが不可欠です。モバイル デバイスのゲーム アプリケーションは、すべてのユーザー間のプレイの同期を取るために1つまたは複数のインターネット サーバーと通信する必要があり、たとえ他のネットワーク トラフィックと競合する場合でも、これらのサーバーと即座に通信するための具体的なQoS要件があります。MSCSテクノロジーによって、ゲーム アプリケーションはネットワーク上のトラフィックを優先付けることができ、レイテンシを低減しながら卓越した品質のゲーム体験を実現します。